移住者の声【池田さん】

穂坂町 池田さん 千葉県出身

農業協力隊で移住
出荷日を目前に控えた暑い日に、池田さんのぶどう農園を訪れました。今は静かな畑ですが、つい先日までは日々忙しく過ごされていたに違いありません。ぶどう農家は、5~6月の摘粒(てきりゅう)の季節が一番忙しいのだそうです。摘粒とは、大粒で綺麗な形にするための作業です。野菜を間引くように、ぶどうの粒も間引いてあげないと、私たちの知る『ぶどう』の形になりません。それはひとつひとつハサミで切り取るという手作業で、その時期に終わらせなければ、出荷に間に合わないのです。まだ暗い早朝から、日の沈む夕暮れまで、その作業は続きます。その後、ひとつひとつジベ処理(種なしぶどうにするための処理)を行います。動物被害や悪天候などの災害から守るために、ひとつひとつ袋かけもします。

富士山を見ながらぶどう作り
池田さんの農園は、高台の穂坂町にあります。この辺りはぶどう畑が並んでいて、ぶどう棚越しに、見晴らしのいい光景が広がります。日差しを遮るものなどなく、太陽の光を思う存分浴びたぶどうは、甘さがしっかりと詰まっています。ここまで大切に育てられたぶどうですが、まだ安心はできません。農業はみんな同じですが、天気がいつも心配です。暑い日が続き、カラカラに乾燥して、「一雨欲しいな」と私たちは簡単に思うけれど、ぶどうにとっては大打撃です。急激な雨は、根から急激に水分を吸ってしまうため、玉割れしてしまうのです。私たちの口に入る大粒のぶどうに、これだけの手がかかっていると思うと、今まで以上に感謝して味わっていただくようになります。

移住者の声